抄録
本研究は生徒の理科離れが危惧される昨今、生徒が理科の楽しさや面白さを体感し、理科好きが増えることを目指して行った。物作りと創意工夫の視点から顕微鏡のコンデンサー部分に細工を施すことで通常とは見え方が違う暗視野顕微鏡観察と表現力や考えるカを伸ばし自らの考えを適切にプレゼンテーションできるノウハウを培う、サイエンスコミュニケーションを融合させた新しい実習である。その結果、生徒に積極性が芽生え、もっと多くを知ろうとする姿勢や自信、自分の意見や感動・不思議を伝えることの楽しさが確認できた。さらに、物理的な原理や現象も理解し、"なぜ?"と科学的に考えることの面白さも発見したようであった。本実験は平成24年度から実施される新学習指導要領にも適応可能で、多様性と細胞の動的なダイナミズムを生徒に実感させる効果の高い実験であると考えられる。