学校の中の科学教育だけではなく,科学館や博物館などの学校外の科学教育が着目されている.しかしながら,「家庭の科学教育」は,その重要性が認識されているものの,どのようにすれば支援できるのかがあまり議論されていない.家庭という学習環境は,科学館や博物館などに比べると,「指導者がそばにおらず,装置や道具がほとんどない」というハンディキャップを背負っている.私たち科学教育の関係者は,このような学習環境の充実にいかに貢献できるだろうか.本講演では,家庭の科学教育を対象とした学習環境デザイン研究プロジェクト「おやこdeサイエンス」の事例を通して,この問いに回答するための手がかりの一つが,「科学教育の研究領域に蓄積されている知見の活用」にあることを議論する.
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