抄録
新学習指導要領で,小学校「数量関係」,中学校「資料の活用」,高校数学I「データの分析」と統計内容を学習する系統的な枠組みが用意された。そこで生徒に期待されているリテラシーは,身近な課題や問題を統計的に捉え,データ収集やデータ分析を問題解決に結び付けて戦略的に実践する21世紀型のソフトスキルである。そのためには,カリキュラムに配置された統計グラフや度数分布表,統計量を個々に理解するだけでは不十分で,問題解決のプロセスを習得した上で,系統的な活用を学ぶ必要がある。本稿では,社会で活用される統計的問題解決のプロセスを紹介し,統計数理との関連性と教材事例を紹介する。