抄録
ほぼ50年間の6つの学習指導要領に注目し、中学校における生物教育の変遷をまとめてきた。「内容」の指示における項目数は、一貫して、理科の中で25%を超えており、生物教育は、重要な位置を占めてきたといえる。目標表現(行為要素)では、「知る」「調べる」は、昭和33年度告示以外ではほとんどなく、「見いだす」「過程を確かめる」は、平成元年度告示以降にあったこと、内容項目では、「コケ類、シダ類」は昭和44年度告示からなくなり、平成20年度告示に至って「コケ植物、シダ植物」に変わっており、「観察」「実験」は平成元年度告示以降にあったこと、などの変遷を見出した。