抄録
「動物の誕生(人)」に関する学習は,平成元年(1989)改訂の第5学年に始まった.「人も他の動物と同じように,受精して子どもができるということをいつ知ったか」という問いに対し,男女共に約半数の児童が理科での学習以前に「受精して子どもができる」という知識を得ていたが,男女共に約半数の児童が第5学年の理科の授業,あるいは理科教科書によりその知識を得ていた.「大人になったとき,子どもを育てたいか」という問いに対し,「育てたい」と回答した児童は半数であり,その理由として,「子どもが好きだから」という回答が最も多く見られた.その一方,「子孫を残したい」という回答は男子に,「子どもを育てたい」という回答は女子に多く,男女の相違も見られた.「動物の誕生(人)」の学習を通し,動物の誕生に関する正しい知識を児童に身に付けさせ,生命観,及び生命の連続性に関する考え方を育成していくことが重要であると考える.