抄録
天体学習における方位理解は児童にとって難しいと指摘されている。天体シミュレーションを使用した際の児童の方位認識は,その場で観察していると感じること(没入感)が関係すると考えられる。そこで没入感を高めるために身近な風景を天体シミュレーションの背景とした教材を作成し,方位認識に与える影響を調査した。背景が身近なもので指導を行った児童と身近でないもので指導を行った児童の方位認識を比較した。評価は主観的評価を質問紙で行い,客観的評価を方位理解テストで行った。その結果,没入感が高まり,方位認識を高めることができた。