数学教育でのテクノロジー活用は,CAI (Computer Assisted Instruction)に始まり,数学的探究のためのツールとして動的図形学習ソフトや関数ソフト,グラフ電卓などの利用を可能になり40年になる.現在は,さらに多様化し,一斉授業を支援する電子黒板,ゲーム機,デジタル教科書などが出現し,授業形態は変わるであろう.本自主課題研究は,子供たちはどんどん情報機器を使いこなしている現状を受け止め,数学教育でも新しい環境に対応すべく展開可能な学習内容・教材,学習方法の提案に始まった.2011年には脱ゆとり教育の観点から見直された小学校の新学習指導要領のもとで授業が始まり,中・高校でも新しい内容で動き始めている.本研究では,常に,情報化が進み複雑化・多様化していく新しい時代に生きるために必要な,創造性の育成を目標とし,新学習指導要領で求められている「確かな学力を育む」ことを加え,「基礎基本の育成」と「創造性の育成」の両輪にしてどのようなテクノロジーの活用が可能かを探っていく.
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