抄録
フィンランドは2003年のPISAショック以降,教育先進国として,日本だけではなく世界的にも注目されている。本研究は,独立行政法人教員センター主催の平成23年度教育課題研修指導者海外派遣プログラムによる調査結果を踏まえ,フィンランドにおける理数教育の現状の一端を紹介する。本物の直接体験と基礎・基本の重視,子どもの関心や意欲が向けられるよう重視して組まれ,スパイラル的に学習内容を繰り返し取り扱うように組まれたカリキュラム,子どもの実態に合わせてフレキシブルに展開されている授業形態などが,フィンランドの「科学的リテラシー」の高さを支えている要因の一つであると考えることができる。