抄録
インターネットの普及による膨大な情報の流通に加え,タブレットやスマートフォンといった情報機器の多様化が急速進んでいる現代社会において,世の中にあふれる情報を適切に扱うことができる情報リテラシー教育の重要性は高まっている。しかしながら,情報リテラシーに関する共通認識や統一的な定義は十分には得られているとは言えない状況にあり,関連する諸概念を体系的に整理することが重要な課題となっている。本研究では,概念の体系化に広く用いられているオントロジー工学の手法を用いて,情報リテラシーに関わる概念を体系化したオントロジーを構築することを目指す。本稿では,その予備的な考察として,オントロジーを構築するにあたっての基本的な考え方と,情報リテラシーの概念化の基本方針を考察した。その結果として,「情報に関する行為」を中心として概念化し,具体的な行為を捉えるときに必要な観点を表す属性を導入することで,様々な観点を適切に分離して整理・体系化するという方針を示す。