抄録
フィンランドの教育の成功要因として、「教育の機会均等の保証」「教育の地域格差の克服」が広く知られている。しかしこの国の教育改革は臨機応変かつ急速であり、プリスクールで行われている修学前教育及び初年次教育の重要性が指摘されている。一部のプリ・スクールを持つ小学校では、算数や国語に特化した学習が進められている。また、昔の国民学校が地方には残っており、その一部で数学に特化した才能教育が行われている。これらのことは、ほとんど知られていない事実である。伸ばすべき資質を明確にし、幼児教育や初年次教育、また中等教育で高利的・合理的に進めるフィンランドは、これからの日本の学習指導を考えるとき、大いに参考になるものであろう。