抄録
本研究は,自然科学分野の才能教育への取り組みに関する各国の状況を調査する一環として,特に英国の状況に注目したものである。英国にはパブリックスクールなどにおけるエリート教育,教養教育の伝統があるほか,ロイヤル・インスティチューション(王立研究所)のクリスマスレクチャーを始めとする市民教育の長い歴史がある。現在は,かつてのエリート教育の伝統は活かしつつも,教育環境の悪い地域での学校外教育支援の動きが注目される。これは,埋もれた才能を見つけて育てるというチャレンジングな事業であり,日本においてはこれまで看過されがちだった視点である。