理科の思考力育成を検討する中で、単元の確実な習得活用と並んでもう一つの思考力の役割に気付いた。初めに問題そのものを見出す過程と学んだ知識を後に違った文脈(単元)で活用する過程では、様々な既習知識や生活と学習を結びつけてゆく多角的で柔軟な思考力が求められる。その視点から小学校理科教科書を概観し、どのように児童の思考力を育成できるか検討した。多角的に結びつく内容として「気体・液体・固体」に着目したところ各学年の単元との関わり合いが見出されたが、その結び付きや気体液体がどのようなものかは十分扱われていない現状がある。そこで「水の姿の変化」単元の始まりにおける多角的な導入、児童が操作できる液体の捉え方、生活とつながる空気の概念の在り方を検討した。またエアースプレーなど身近な生活にある気体を探す学習を検討し基礎実験を行った。