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銀島 文
セッションID: 2S3-B1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本シンポジウムのテーマは,過去2回の年会から継続している。3回目となる今回は,本テーマの最終回と設定されており,イノベーティブ人材育成のための科学教育について,科学教育研究の視座から研究成果や研究動向,現状等を基に議論する。また,昨年までの議論も踏まえ,学会として取り組むべき課題等に関しても議論を進める予定である。
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-Science for Allの呪縛を超えて-
磯﨑 哲夫
セッションID: 2S3-B2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究は、イノベーティブな人材を育成するカリキュラム構成原理について、歴史的視点、諸外国の動向、日本における実践例などを分析し、目的・目標論、内容論、方法論、文脈論などについて検討した。その結果、Science for All の呪縛を超越すべきこと、能力目標に基づき、内容、文脈、方法のバランスを考慮したカリキュラムを構成する必要があることを指摘した。
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~SSHの取組に焦点を当てて~
熊倉 啓之
セッションID: 2S3-B3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本稿の目的は,SSH での数学教育に関わるこれまでの取組が,イノベーティブ人材育成にどの程度寄与してきたのかを明らかにした上で,SSH での成果を一般の高等学校における数学教育の改善につなげるための示唆を得ることである。そのために,SSH での数学教育に関わる事業を調査した結果,SSH 全体から見れば数は少ないが,「課題研究」での優れた取組と成果があり,マス・フェスタ・数学科教員研修会等の事業を含めて,イノベーティブ人材育成に効果的な活動が実施されていることがわかった。結果として,数学オリンピックの受験者数増や好成績にも少なからずよい影響を与えていることが推測された。以上の調査結果を踏まえて,一般の高等学校における数学教育の改善への示唆として,①SSH で重視する「課題研究」を導入する,②生徒研究発表会・教員研修会を推進する,の2 点を得た。
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隅田 学
セッションID: 2S3-B4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本発表では,21 世紀に入り急速な拡大と変化を遂げつつある科学の研究スタイルの特徴を分析しながら,我が国における科学才能教育の動向を紹介すると共に,今後の学校教育を中心としたイノベーティヴ人材育成の展開へ向けた問題提起と実践的指針の提案を行う。
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新田 英雄
セッションID: 3I2-B1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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講義型授業から最も移行しやすいアクティブ・ラーニングであるピア・インストラクション型授業を実践し, 概念調査紙による事前事後調査やクリッカー・システムによる学生からの応答等の数値データを用いて,学生の概念的な困難や授業効果を定量的に分析・評価する手法を示した。
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生田目 美紀, 寺野 隆雄, 江草 遼平, 小川 義和, 小林 真, 溝口 博, 楠 房子, 中瀬 勲, 稲垣 成哲
セッションID: 2A1-I1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究の目的は,科学系博物館等における展示支援及び学習支援の現状を,情報アクセシビリティの立場から世界的規模で明らかにし,その指針と評価手法の方針を打ち出すことである.科学への憧れや理解増進を促す活動は,先進的なテクノロジ等が導入され,極めて充実したものとなってきている.しかしながら,聴覚 ?視覚障害者に代表される情報弱者に対しての配慮は十分とはいえない.本研究では先進的な海外の現状を調査し,博物館等の科学コミュニケーションの現場において,情報弱者が直面している諸課題を明らかにするとともに,その克服・改善のためのデザイン指針を策定することを通して,科学教育の革新に資することを目指す.
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博物館学習支援の観点から
江草 遼平, 保科 弘明, 生田目 美紀, 小川 義和, 小林 真, 寺野 隆雄, 溝口 博, 楠 房子, 中瀬 勲, 山本 哲也, 稲垣 ...
セッションID: 2A1-I2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究では,科学系博物館における視覚・聴覚障害者の学習を支援する学習活動,鑑賞支援,教材,個人用展示解説機器といった博物館学習支援について,その現状を調査・分析することを目的とする.質問紙を用いた調査結果の分析を行い, それぞれの観点から現在の科学系博物館における博物館学習支援の多様性,十分性について明らかにする.また,館種別に配慮の度合いを比較し,その特徴について考察する.
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溝口 博, 生田目 美紀, 寺野 隆雄, 江草 遼平, 小川 義和, 小林 真, 楠 房子, 中瀬 勲, 稲垣 成哲
セッションID: 2A1-I3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究の目的は、科学系博物館等における展示支援の現状を,情報アクセシビリティの立場から明らかにするとともに,今後のテクノロジーの進展が展示支援に資する可能性を展望することである。特に耳の不自由な方や、目の不自由な方への支援に関し、先端テクノロジーがどのように貢献し得るかを探る。このために、まず先進的な海外の事例を実地調査して現状調査を行う。具体的に、耳の不自由な方と目の不自由な方に対する先端的な取り組みを、英、仏、韓の三カ国の事例を挙げる。そして、それら結果を踏まえた上で、さらに新しいテクノロジーの進展を見据え、将来の展示支援の可能性を展望して考察する。具体的には、手話ビデオ、ビデオストリーミング、手話合成、空間投影技術、視線発見・追跡技術、3Dプリンティング、3Dスキャンニングをあげ、近い未来と少し先の未来それぞれの可能性を議論する。
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セッションID: 2A1-I4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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1986 年に開館したフランス共和国パリ市のシテ科学産業博物館の視覚障害者向けアクセシビリテ ィの配慮について紹介する。点字表記や触察模型の配置といった基本的な配慮も,視覚障害者と共に館内を巡ることを考えると,学ぶべき点が多い。
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-モデリング課題研究の企画趣旨説明とわが国におけるSTEM 教育の展開に向けて-
松嵜 昭雄
セッションID: 2A1-J1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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『科学教育研究』第40 巻第2 号で,特集「科学教育におけるモデリング研究とその連携」が組まれている。モデリング研究には学際的な側面があり,数学的モデリングにおいても,算数科・数学科と他教科との関連を意識していく必要があろう。昨年の埼玉大会に引き続き,「理科教育」「技術科教育」「情報教育」の研究者の方々に登壇頂き,モデリング研究に対する期待と今後の展望について検討していく。本稿では,教具レゴとICT 利用を前提としたモデリング実践を紹介し,わが国におけるSTEM 教育の視点について検討する。
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-英国の『アドバンシング物理』とModellus-
笠 潤平
セッションID: 2A1-J2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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英国物理学会によって開発されたA レベルコース『アドバンシング物理』は,モデリング教育が今日の中等科学教育の重要な課題の一つであるという認識を持つ。そこで用いられているソフトModellus の特徴,日本での実践例,同ソフトの日本語化について報告する。
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大谷 忠
セッションID: 2A1-J3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本稿では,技術科教育から見たモデリング研究への期待について整理した。技術科教育の視点からは,技術の理論の考え方に基付いて,「技術理論」を扱う科学的根拠に関わる内容や「関係知識」を扱う知識の内容において,数学教育とのモデリング研究の接点を考えることができた。さらに,その接点における関連する指導内容を取り上げ,実践的な場面を通して,算数・数学の特徴である数式化,記号化等の導出によるモデリング活動を展開する活用ステージと技術科教育からは科学的根拠に基付いて最適設計を行う活用ステージとを相互補完的に構成することによって,STEM 教育や科学技術リテラシー育成のための総合的な能力育成が可能と考える。
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渡辺 雄貴
セッションID: 2A1-J4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究では,理学部数学科において,数学科教育法および,情報科教育法履修者を対象に,第1 講および,第15 講において,数学的モデリングについての意識を質問紙により調査し,その変化を考察することを目的に,比較を行った。その結果,教科に対するイメージ調査においては,第1 講時の教科間の共通の認識は少なく,認識の差異があったが,履修者の多くは第15 講には,教科教育観を深め,その構成要素には変化があるものの,質問紙調査の内容や,数学科指導内容の選択課題調査において,その差異は,依然としてあることが明らかになった。
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安藤 秀俊
セッションID: 2A1-K1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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現在の学習指導要領では「理数教育の充実」をはかることが明記されており,昨今のわが国の状況を鑑みれば,資源の乏しい国として科学技術の発展は国際競争力の基盤であり,そのための理数教育の充実は当然の施策と言える。しかし,理数教育の充実と言いながら,理科と数学の融合的なカリキュラムなど,理科と数学の共通性や関連性を意図した学習活動は,わが国においては極めて少ない。こうした背景を踏まえ,ここではあらためて理科と数学の関連性について,先行研究を踏まえながらそのあり方を考察した。
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小原 美枝
セッションID: 2A1-K2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究は,数学と理科を連携させた指導としてフィボナッチ数列を題材とした授業を行い,質問紙調査の結果を分析して指導の有効性について検討した.その結果,数学と理科を連携させた指導は,生徒の学習意欲を向上させることや,数学の有用性を認識させることが明らかになった.
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石井 俊行, 林 拓磨
セッションID: 2A1-K3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究は単位当たり量の形式的な計算ができるようになるための1つの解決方法としての,単位の次元に着目させる指導法の効果とその問題点を明らかにするために行った.その結果,求めるべき量に記載された単位を意識させることで,単位当たり量に関する問題を解く力が高まり,たとえ未履修の分野の問題でも計算が可能であることが明らかになった.一方で,単位について間違った考え方をしているにもかかわらず,問題を正答してしまう生徒が少なからず存在することが分かった.そのためにも,生徒に単位の次元を強く意識させ,単位の意味を十分に理解させていく必要がある..
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―数学教育史に着目して―
久保 良宏
セッションID: 2A1-K4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本稿は,明治から大正期の数学教育史を概観した上で,小倉金之助の「科学的精神」などの主張に着目して,数学教育と理科教育との関係を,数学教育の立場から検討するものである。小倉はペ リーらの主張する数学教育改革運動に早くから賛同し,明治から続く分科主義に立つ日本の数学 教育を批判的に捉え,長田新とともに形式陶冶を排斥して融合主義への変革を主張した数学者の一人である。このような主張は,「函数観念」や「幾何学的直観」を重視した「科学教育」の考え方に 結びつくものである。ここでは,実用的価値と論理的価値の捉え方の問題などが指摘される。小倉 の主張を現在に照らして再検討することは,数学教育と理科教育との関係について考察する視点 に成りうると考える。
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太刀川 祥平
セッションID: 2A1-K5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本稿は,数学科教師の専門性の一端を,中学校数学科教科書の分析を通して,理科との関係から検討するものである。数学科教師の専門性の捉え方は多様であるが,本稿では,Shulman のPCK 概念(授業を前提とした教材の知識)や,これを踏まえたBall らのSMK(数学指導に必要な教科内容知)に着目した。中学校数学科の教科書を調べてみると,理科に関係する内容があるが,ここには,数学指導において,理科の知識が必要であると考えられる場面もある。例えば,自由落下運動,フックの法則,振り子の運動などでは,すでに定式化された場面であるが,数学科教師は,その背景にある理科の知識を獲得しておく必要があると考えられる。
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高阪 将人
セッションID: 2A1-K6
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本稿の目的は,文脈依存性と概念のつながりに焦点を当て,これら評価法を用いた際に測定できる関連付けの方法を明らかにすることである.そのために,理科と数学を関連付ける4 つの方法(①学習内容の統合プロセス,②考え方の統合プロセス,③学習内容の比較プロセス,④考え方の比較プロセス)を概括すると共に,文脈依存性と概念のつながりの調査から,そこで測定できる関連付けを考察した.その結果,文脈依存性の調査を用いて学習内容の比較プロセスと考え方の比較プロセスによる関連付けを,概念のつながりの調査を用いて学習内容の統合プロセスと学習内容の比較プロセスによる関連付けを測定できることが明らかとなった.
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-基盤カリキュラム構想(4)-
吉岡 亮衛
セッションID: 3A1-H1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本課題研究では、21 世紀の社会が求める科学教育の教育課程について、いつまでも学習指導要領を唯一絶対とする伝統的な教育課程・学力観を脱する新しい教育課程・学力観として、For Excellence からFor All に連なる新たな科学教育課程を構想するために、理論的背景の足場固めとなる議論を昨年に引き続き行う。その準備としてここではこれまでの議論の概要をまとめ、今回の各登壇者の発表テーマを紹介する。
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記述―推測―計画の科学の発展をつらぬく不確実性統計教育カリキュラム
木村 捨雄
セッションID: 3A1-H2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究は,知識基盤社会を支える科学技術の展開に対し,新しい科学教育をどのように構想するか,For Allからトップ10に連続的に連なる「卓越性の科学教育」の視点で見直し,伝統的なこれまでのイベント(単一次元の知識)で構成された伝統的な“知識を教える教育”の知識体系から,創造性,イノベーションを基盤目標の文脈(Context)に,次の知識への発展を貫く考え方・切り込み方・思想の知識,つまり“知識と知識をつなぐ知識を教える教育”の知識体系(多元的知識体系)で構築する教育課程編成を提案し,不確実性統計教育のカリキュラムを開発し,検証の対象としてきた。
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- How Science Works とSocio-Scientific Issues に着目して -
野添 生, 磯﨑 哲夫, 藤浪 圭悟
セッションID: 3A1-H3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究は、近年のイギリス科学教育の動向に焦点を当て分析・検討を行い、「新しい知の創造」のための科学教育を可能にするイノベーティブ人材育成を意図した理科教育課程について討究した。その結果、理科カリキュラムには現状の専門分化の視点だけでなく、系統的な科学的知識を積み上げながら、知識がより融合化(統合化)されていく視点も重要な要素となること、また、HSW やSSI という考え方を取り入れた中等理科教育には、イノベーティブ人材育成の解決策となる可能性を確認できることが明らかとなった。
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―卓越性の科学教育を視野に入れて―
遠藤 優介, 大髙泉
セッションID: 3A1-H4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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卓越性の科学教育へ向けた視点を獲得すべく,ドイツのギムナジウム上級段階の修了試験であるアビトゥーア試験に着目し,底流にある科学のコンピテンシーの捉え方や個々のコンピテンシーを評価する具体的方途について,その特質と意味を探った。
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-全体像に注目して-
寺田 光宏
セッションID: 3A1-H5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究では,ドイツのChemie im Kontext(以下:CHiK)プロジェクトの全体像について明らかにすることにより,科学教育における革新的な教育改革プロジェクトのあり方を考察した。CHiK プロジェクトは,それ自身の目的のために教科書を含む教材や授業方法を多数開発している。それに加え,教育システムや他の理科との関わりをもつなど多岐にわたるプロジェクトである。それは,ドイツ初の教育スタンダードに対応する具体的な教科書を編纂しアビトゥーアの統一試験要求にも柔軟な対応をしている。
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田中 俊也, 高垣 マユミ
セッションID: 3A1-H6
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究はPISA とTIMSS が規定する科学的能力の定義に着目する.TIMSS の問題例をいくつか紹介し,その意味について検討する.さらに,そこで最高レベルに位置づけられている能力の含意,より卓越した能力は何か,について検討する.
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小口 祐一
セッションID: 3A1-I1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本課題研究は,統計的問題解決に着目し,わが国の小学校段階に対応したニュージーランドの教科書分析,中学校数学における時系列データを基にした判断に関する授業研究,統計的確率と数学的確率との関係に関する授業研究,標本抽出の方法に関する授業プランを通して,統計的問題解決能力を体系的に指導するためのカリキュラムと教材について提案する。
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-ニュージーランドの具体的な指導内容からの示唆-
青山 和裕
セッションID: 3A1-I2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究の目的は,統計教育先進国として国際的に評価の高いニュージーランドの 教科書記載内容を分析し,今後の日本での統計教材・カリキュラム開発のための示唆を得ることである。そのために日本の小学校第1学年から第6学年に相当する学年を対象として設計された教科書の記載内容を分析した。結果として,4つの提案を導出することができた。
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― グループの発表内容をどの程度他の生徒は評価しているか ―
西仲 則博, 吉川 厚
セッションID: 3A1-I3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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近年のデータ解析の重要性から鑑みて,中学校数学に時系列データに関する内容の導入を考えることは重要であると考える.しかし,時系列データの解析についての授業法や教材の開発,生徒の反応等についての研究は少ない.本研究は,新たに開発した教材を用いた授業を基にして,グループの発表について他の生徒はそれをどの程度評価するのかを捉えることにある.結果として,生徒たちは,概ね納得していたという数値がでた.しかし,判断基準として用いた「年々減少する」という言葉で,「局所的な変化」,「大まかな傾向の中での変化」の二つの解釈が出た.それにより,時系列データの解釈や判断に違いが出て,生徒の納得の困難さを引き出した.
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菊池 康浩
セッションID: 3A1-I4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究は,体験的に確率の意味を理解する数学的活動を充実させ,統計的確率と数学的確率の接続を円滑に進めようと試みたものである。一連の学習が終了した後の生徒のワークシートへの記述や調査問題による達成度から,体験的に確率の意味を理解する数学的活動を充実させれば,生徒は統計的確率と数学的確率の意味を理解するとともに,起こり得るどの場合も同様に確からしいときに数学的確率を求められると分かり,統計的確率と数学的確率の接続を図れることが明らかになった。
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遠藤 雄姿
セッションID: 3A1-I5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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学習指導要領改訂によって,学校数学において統計の内容が必修となり,今まで以上に 統計教育が重要視されている。今回の改訂では,従来のように平均値を求めることを中心とした内容に加えて,一部のデータから母集団の傾向を読み取る標本調査まで組み込まれている。本研究では,無作為標本抽出に焦点を当て,これらを効率的に処理することができる動的データ探索ソフトFathom を使った教材を提案する。
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川上 貴
セッションID: 3A1-J1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
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本研究では,児童の統計的なアイデアや概念を構成する方法としてモデリングを導入することに主眼を置いている。本稿では,現行の教科書の記載内容と実験授業の事例をもとに,算数における統計指導に含まれている,モデリングに係わる活動を見出した。その上で,小学校段階からのモデリングの導入に向けて,「目的に応じてデータを定式化する過程」と「統計グラフをつくりあげる過程」を統計指導の中で焦点化することの重要性を指摘した。
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-中学校数学科の関数領域に着目して-
藤原 大樹
セッションID: 3A1-J2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
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本研究では,中学校関数領域に着目し,数学的モデリングを通して生徒が新たな数学を生み出すための指導について検討した。第3 学年の「関数y=ax2」単元で教材「リレーのバトンパス」を扱い,グラフ描画ソフトを活用した協働的な解決,及び多様な解決方法の比較・検討を重視して実践した結果,生徒は既習の関数のグラフを用いた視覚的,近似的な解決を端緒に,簡潔さや正確さを志向して,未習である二次方程式の重解条件を自ら生み出した。新たな数学を生み出すことに向けて,数学的モデルをつくったり解釈したりして考える授業を意図的に複数位置付けた単元計画とその実践・検証が課題である。
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御園 真史
セッションID: 3A1-J3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
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昨年度の数学的モデリングに関する課題研究の発表では,筆者が提唱する授業デザインモデルであるSPECC モデルを用いた,中学校における数学的モデル化の授業例を示した。本稿では,SPECC モデルに基づく,高等学校における数学的モデル化の授業例として,「ベタ踏み坂の問題」を紹介する。この授業での概念形成を通して,三角比の導入につながる指導を提案する。
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池田 敏和
セッションID: 3A1-J4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本稿では,Lesh らによる数学的モデリング・応用の算数・数学科への位置づけを基に,日本における小・中・高等学校の算数・数学科の単元構成の考えを概括的に分析し,各学校段階におけるその位置づけについて考察した。その結果,小学校段階では「統合的に取り扱うアプローチ」が採用しやすいのに対し,中・高等学校段階では「混合したアプローチ」「単元として分離したアプローチ」等が主流になる傾向にあることがわかった。今後は,単元構成の考えを柔軟に考え,複数のアプローチを加味した単元構成の可能性について考察していく必要がある。
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—第1学年の小単元「基本的な作図」—
茅野 公穂, 清水 あかね
セッションID: 3A1-K1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
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本研究は課題探究として証明することの学習を実現するためのカリキュラム開発の一端として,中学校第1学年「図形」の小単元「基本的な作図」に焦点を置いて教授実験をデザインし,得られたデータを分析した。その結果,以下の二点,(1)四観点「行ったこと」,「使う図形」,「結果としてなったこと」,「言いたいこと」に基づき自ら構成した素朴な証明を評価・改善する活動は,C1としての証明に必要な内容を教師-生徒,生徒間で共有することを促すこと,(2)四観点は,徐々に証明を構想する際にも用いられるようになり,C1 としての証明の構成を誘発すること,が明らかとなった。
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ー第2学年の内容「平行線と角の性質」,「多角形の角についての性質」ー
宮﨑 樹夫, 市川 大輔, 松岡 樂, 岩永 恭雄
セッションID: 3A1-K2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
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本研究は,課題探究として証明することのカリキュラムの内容「平行線と角の性質」と「多角形の角についての性質」の授業化について考察した。その結果,この授業化に次の手立てが必要であることが明らかとなった:全称命題の記述と共用の促進/組込の推奨,単称命題群に全称命題を組み込む活動の設定,普遍例化の系列を顕在化する活動の設定。一方,今後の課題として,本授業化により,カリキュラム開発枠組みの検討,内容−活動対応表の改善が必要であることが明らかになった。
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-第3 学年の内容「2 つの連続する奇数の性質」-
牧野 智彦, 田中 真也
セッションID: 3A1-K3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
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本研究は,中学校第3 学年の「2 つの連続する奇数の性質」に関する内容の授業化の成果と課題を,授業での生徒の様子や授業後に実施したアンケート調査を用いて明らかにした。その結果,生徒はある命題の証明の後に,発展的に考えて,新たな命題を生成できることがわかった。一方で,更なる工夫が必要な部分として,証明をもとに新たな命題を生成するための改善策を論じた。
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-第3学年の単元「図形の相似」-
永田 潤一郎, 島尾 裕介
セッションID: 3A1-K4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
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本稿は,永田・小松・中川(2013)による中学校第3学年の領域「図形」における学習の構想うち,「図形の相似」の内容について,授業化の過程で検討した事柄や明らかになった課題を整理しようとするものである。特に,内容が複雑になりがちな(P2,C2) レベルにおける証明の構成とその評価・改善・発展において,多くの子どもが取り組めるような教材の開発とその指導方法に注目した。実践の結果から,取り上げた教材が課題探究として証明することを実現する授業の素材になり得ることが確認できた。また,そのためには教師の意図的な指導の明確化の必要性が示唆された。
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吉村 成弘, 粂田 昌宏
セッションID: 3A4-H1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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日々急速に進歩を遂げる現代生命科学を正しく理解し、この分野をリードする優秀な研究者を育成するには、生物のみならず、化学や物理の知識が必要不可欠である。当研究グループでは、スーパーサイエンスハイスクール等の高大連携の取り組みにおいて、理科科目間の垣根を取り払い、現代生命科学に必要な生物学、化学、物理学の基礎知識を高い専門性と関連づけながら解説することにより、for all の教育では到達困難な、for excellence としての卓越性現代生命科学教育を10年にも渡って行ってきた。ここでは、その取り組みの歴史と、10年間の成果を報告し、SSH における卓越性教育の長期的な成果について議論したい。
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(高校生物の学習内容構成論の構造化に向けて)
羽曽部 正豪, 吉村 成弘
セッションID: 3A4-H2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本邦の生物教育では「器官系」や「階層性」の学習を軽視する傾向にあり、その結果、学習項目や用語の単離浮遊化といった現象が散見される。左記2項目の意味意義の理解は生物学習の基本であり、「独自に考える力の基盤」であるが、その必要性を具体化するには学習内容構成論に向けた構造化、並びに、それらを補完する新たな学習コンテンツや実験教材の導入が必要であろう。そこで、本研究では、その現状・経緯に言及しながら、新たに構築した個体生物学の「学習マトリックス」を解説し、具体化された関連学習コンテンツとの連立連携から「生物領域における卓越性の科学教育」に寄与することを図る。
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その方法と効果
中川 優子, 羽曽部 正豪
セッションID: 3A4-H3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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細胞は体の基本単位であり、構造レベル(階層性)の要であるが、動物細胞に関わる高校実験学習の現状は脆弱であり、生命科学社会の実情に対応した学習効果の高い細胞実験システムが望まれる。 しかし、動物細胞培養技術は専門的であり、学校レベルへの導入には各種の制限要素が付帯する。そこで、我々は「魚類細胞を用いた細胞実験キット」に改良を加え、それらの制約解消を図っているが、今回、多数の受講者を対象とした実践学習の場においても無理なく導入が可能な改良型の細胞実験学習システムの開発に成功した。本報告ではその具体性「特徴、実施方法、結果、その効果」について報告する。
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野瀬 重人, 鳩貝 太郎
セッションID: 3A4-H4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
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本研究は平成24 年度科研基盤A(一般)、イノベーティヴ人材を醸成する「卓越性の科学」の教育課程の開発に関する実証的研究(代表 銀島 文)の一研究分野として、SSH で研究開発されている科学技術教育の現状を調査したものである。今回は中国、九州地区のSSH の内、中学校を併設し、中・高等学校6年間を見通した教育課程を開発し、学習効果を上げている学校の調査結果を報告する。
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