主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第40回年会 大分大会
開催日: 2016/08/19 - 2016/08/21
学校教育において,平成24 年度から施行された中学校学習指導要領理科では,「環境保全と科学技術の利用」の単元で「自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察し,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識すること」と明記されている。その中でカーボンニュートラルの概念は,地球温暖化対策の一つと期待されている。本研究の目的の一つは,教科書での新エネルギーを調査し,その中でバイオマスエネルギーがどのように扱われているか明らかにすることである。調査の結果,バイオマスエタノールを新エネルギーとして扱う一方で,カーボンニュートラルを記載している教科書が少ないことが分かった。またバイオエタノールの原料として,温帯でも育てることもでき,食料として競合することはないスイートソルガムが注目されている。スイートソルガムは教材化されておらず,既に教材化されているバイオマス作物と比較し,現実的な環境問題を考える教材としての可能性を探求したいと考える。 そこで本研究では,スイートソルガムを用いカーボンニュートラルから環境問題を考える教材を開発することを目的に,教材化に向けた品種の選定及び栽培方法と教材化に向けた実験方法を検討した。その結果,バイオマス教材としての可能性を見いだすことが出来た。