主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第40回年会 大分大会
開催日: 2016/08/19 - 2016/08/21
理科の学習において児童が発表する意見には、観察された事実とそれに基づく思考・判断が区別されないことがよくある。さらには、他者の意見と自己の意見の混同も見られる。理科における問題解決学習において、児童の理解を促進させ論理性を育成するためには、児童が事実から思考・判断を区別した上で、自己と他者の意見を比較し、その相違点に気づくための支援が必要である。このような支援が無ければ、児童は自己の思考判断を無自覚・無批判のまま科学的概念を受け入れてしまう。本研究は、問題解決学習での事実と思考・判断の混在が顕著にみられる「予想を発表する場面」および「考察から結論に至る場面」に焦点を当て、自己の思考・判断を自覚させる手法を開発する試みである。より具体的にいえば、当該場面において児童の側に見られる事実と考えの混在の状況、加えて授業展開時における教師の側に見られる個別と普遍の区別に対する自覚の有無が児童の問題解決学習の成立に及ぼす影響を吟味した上で、この手法の開発は試みられている。