本稿の目的は「新体力テストの相関」を題材に,データから統計モデルをつくる過程に焦点を当てた授業実践を行い,指導並びにカリキュラムへの示唆を得ることである.共分散・相関係数等,相関の数量化を目的に①モデルの限界について考察する活動②統計モデルづくりの活動③モデルを評価・検討・修正する活動の3段階の枠組みで実践を行い,「象限の度数比」や「最小二乗法」の素地となるようなモデルが生徒によって引き出された.統計カリキュラム改善への示唆としては「統計モデルの評価・修正・発展を意図した指導の包含」を指摘した.