抄録
数学知識の理解はいかにしてなされるかを問題にする.数学教育で論証を重視することは,わ かるということは証明し説明が出来ることと考えられる.この論証の思考方法は演繹的であるが,こ の前段階に納得することがある.そこで重要な役割を果たすのは,帰納的な納得ではなかろうか.数 学教育では「演繹」と「帰納」の2つの思考方法用いられている.数学教育では演繹的思考が重視さ れるが,この段階では数学知識理解と創造は難しい.数学実験によって見つけ出した例を挙げ,いか に帰納的な思考方法が重要であるかを示す.