抄録
本研究は,日本国内の初等・中等・高等教育課程の理数授業において何らかのテクノロジーを活用し た研究を収集し,その成果を量的に統合することで,科学教育におけるテクノロジー活用の全般的な 効果を明らかにすることを目的とした。先行研究より抽出した 12 件の論文を対象に効果量を統合した結果,平均効果量は g =0.42 であることが明らかになった。この結果より,科学教育におけるテクノロジー活用には小~中程度の効果があるものの,他の教育方法に比べて高い効果を示しているとは言え ないことが明らかになった。また,追加の分析から,研究間に異質性が見られることや,出版バイアスが見られないことが明らかになった。