主催: 一般社団法人日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第43回年会
回次: 43
開催地: 宇都宮大学
開催日: 2019/08/23 - 2019/08/25
中高等学校の数学科と理科でそれぞれ誤差や近似値,真の値などを学習しているが,筆者は真の値の捉え方が数学科と理科で異なるのではないかと考えた.そこで現行の中学校学習指導要領の記述を明らかにするとともに,現行の中学校1年生の数学教科書と高等学校の物理基礎や物理,化学基礎の教科書の記述内容を調査した.その結果,公理をもとにして組み立てる数学と,実験科学として帰納的な事実をもとに組み立てる理科の差異があると考えた.次期学習指導要領では,誤差や近似値の学習は中学校3年生の数学で取り扱う.そこでは他の学習単元等で有効数字等を用いた処理が活用できるようになることを期待しているため,教員は数学科と理科を総合する視点で誤差や近似値をとらえて,それぞれの学習で有効に活用できるように計画することが大切になるのではないかと考えた.