主催: 一般社団法人日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第43回年会
回次: 43
開催地: 宇都宮大学
開催日: 2019/08/23 - 2019/08/25
間接証明に関する研究は数多くなされてきた.特に,先行研究によって構築された解釈モデルは間接的説明の特徴を記述するのに有用である.しかしながら,この解釈モデルの観点からの分析は,扱われている題材の数学的内容や使用言語等の文化の影響を捨象してしまう危険性もはらんでいる.本稿ではこのような可能性を探るため,我が国の生徒が行い得る間接的説明の実態を把握することを目的とし,先行研究と同様の調査問題を用いて,中学校2年生を対象とした実験を行った.分析からは先行研究が主張するものとは異なる特徴をもつ間接的説明が同定され,その結果から矛盾の語の意味や用い方が間接的説明に影響を与えることを考察した.そして,間接証明研究においては特に言語使用などの文化的側面にも注目する必要があるという示唆を導いた.