日本科学教育学会年会論文集
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Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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論文集
自然史博物館の手法で抽象的科学概念を扱うには(II)
*戸田 孝
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抄録

自然史系博物館では住民が主体的に自然現象を探究する活動を組織的に進める制度を整備していることが多く,それは各地域の自然環境理解に大いに貢献している.しかし,自然現象の中には認識すること自体に抽象的思考を要するものがある.この場合,自然史博物館の手法を単純に適用することはできないが,それを前提とした制度的枠組みの応用は可能であるかもしれない.この考えに基づいて,琵琶湖博物館で琵琶湖水の物理学を探求する住民参加型活動を1年間にわたって展開した.現在のところ,関連が深いと考えられる生物現象の解明を当面の目標とした活動が展開されている.この活動の中で物理学に関わる抽象的思考が必要となる状況は既に出始めているし今後も増えるものと期待され,それを如何にして効果的に誘導していくかが今後の課題である.

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© 2019 日本科学教育学会
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