日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
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ISSN-L : 0913-4476
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論文集
高等学校数学科における仮説検定の学習指導の系統性に関する一考察
―「棄却域の見方」と「仮説棄却の方法」に着目して―
*塩澤 友樹
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抄録

本研究の目的は,高等学校数学科における仮説検定の系統的な学習指導に向けた示唆を得ることである.この目的に対して,本稿では,平成30 年告示高等学校学習指導要領解説数学編理数編における数学Ⅰ「新素材枕問題」及び数学B「細工コイン問題」について分析した.そして,「棄却域の見方」と「仮説棄却の方法」に着目し,中高大内容の系統性の観点から学習指導の系統性について考察した.その結果,(1) 数学Ⅰ「仮説検定の考え方」では,「外れ値」の範囲の見方を重視し「棄却域の見方」の素地を養うこと,(2) 数学B「仮説検定」では,「仮説棄却の方法」は「p 値と有意水準を比べる方法」と「検定統計量と棄却域の関係をみる方法」の2つあり, 中高大内容の系統性から後者を主として単元に位置付ける必要があることの2 つの示唆が得られた.

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