主催: 一般社団法人日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第43回年会
回次: 43
開催地: 宇都宮大学
開催日: 2019/08/23 - 2019/08/25
本研究の目的は,1821~1930年の米国のハイスクール「自然哲学」及び「物理学」の教科書において,先行研究で明らかにされた両科目の目的がどのように具体化されているのかについて,力学領域に着目して明らかにすることである.本研究では,17冊の教科書を対象に,先行研究と同様に次の3期間の学習内容を分析した.その結果,第1期(1821~1872年)では神による自然界の創造に関する記述,第2期(1873~1899年)では数式や実験活動に関する記述,そして,第3期(1900~1930年)では大気圧の発見などの物理学史に関する記述が見られた.以上の結果は,荒谷・丹沢(2019)が明らかにした「自然哲学」や「物理学」の第1期と第3期の目的の妥当性を裏付けた一方で,第2期の目的について再考する必要性を示唆した.