日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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論文集
折れ線グラフを批判的に考察する小4の児童の様相
*牧之段 拓
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抄録

本研究の目的は,4年「折れ線グラフ」の授業研究を通して,意図的に加工された折れ線グラフに対する児童の批判的思考の様相を明らかにし,批判的思考を志向した授業モデルの示唆を得ることである.そのために,事前調査,授業実践(意図的に加工された折れ線グラフを解釈する授業),事後調査という計画で授業研究を行った.得られた示唆は次の通りである.①テレビ番組の折れ線グラフを用いることで児童を内発的に動機づけることができ,粘り強く思考する.②調査の通過率は40%から約63%に上昇したことから,4年生でも的確な題材や支援があれば批判的思考を志向した授業を行うことは可能である.③教師の発話やワークシートの記述を共有し,学んだことなどを振り返る場面に時間を割くことによって,児童は学びを価値付けることができる.そして,その価値付けを,批判的思考を働かせるきっかけにすることができる.

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