日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
44
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論文集
生命領域における全単元を統合する中学校理科カリキュラムの構築-「生物多様性(空間軸)」と「進化(時間軸)」による生物教育体系化の試み-
*名倉 昌巳松本 伸示
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抄録

平成29 年告示の中学校学習指導要領や平成30 年告示の高等学校学習指導要領における解説理科編では,「共通性・多様性」や「空間的・時間的」視点,並びに「進化」の視点で捉えることを重視する旨が明記された.これに応じて,それぞれ順に「細胞説・遺伝的変異」や「生態系・進化」の視点によって,中学校「生命」領域における6 つの単元の体系化を試みた.一方,生物学上の科学概念は常に人間社会との関連が深く,擬人化され,「誤概念」として保持されやすい傾向がある.そこで本研究では,5 単元(分類・化石・進化・遺伝・生態系)について,「科学的進化概念」の形成過程から分析し,「誤概念」の払拭を支援するカリキュラム構築の有効性を検討することを目的とした.分析の結果,「弱肉強食」や「優勝劣敗」などの誤概念は特定の単元において払拭が見られ,単元を統合するカリキュラム設計の有効性が示唆された.

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