カンボジアの公立中学校理科および高等学校生物の教科書では健康や衛生,食物,農業,ヒトの生殖と発生など生活に関連した内容が多く扱われている.ウイルスに関しては,カンボジアの教科書では中学校第3学年と高等学校第1学年で感染症および生物の分類と関連させそれぞれ3~4ページにわたり扱っている,韓国,中国,台湾の教科書においてもカンボジアと同様,ウイルスを数ページにわたって扱っている.一方,日本の理科や生物の教科書では生活と関連の深い内容の扱いが少なく感染症も扱わない.日本の教科書ではウイルスは本文外で参考として1ページ以下の扱いであり,他の国々と大きく異なっている.日本の生物教育で生活や健康に関連した内容をもっと多く扱うこと,ウイルスに関しては本文で扱うよう見直すことが必要と考える.