主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第44回年会
回次: 44
開催地: 兵庫教育大学
開催日: 2020/08/25 - 2020/08/27
本研究では,PISA2012 の公開データを用いて,我が国の数学的リテラシーと科学的リテラシーの関連性の特徴を明らかにする.そのために,10 ヵ国の54,790 名の科学的リテラシー53 項目と数学的リテラシー84 項目を分析対象とし,数学的リテラシーの2 つの側面である「数学的な内容」と「数学が用いられる状況」に着目した.その結果,日本では,「変化と関係」が最も科学的リテラシーと関連するが,この特徴は,必ずしも国際的なものとはいえないことが分かった.国際的な傾向を踏まえると,科学的リテラシーと数学的リテラシーの関連性には,「変化と関係」に加えて,数量的な関係に関する「量」という側面にも目を向けるべきと考えられる.また,「数学が用いられる状況」については,「科学的」が10 ヵ国全てで最も科学的リテラシーと関連する結果を得た.そのため,より抽象的・理論的な文脈が科学的リテラシーと数学的リテラシーより関連付けると考えられる.