主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第45回年会 鹿児島大会
開催日: 2021/08/20 - 2021/08/22
本稿の目的は,Glasser and Smith (2008)およびDamarin and Erchick (2010)をもとにセックス/ジェンダー概念の意味と立場,数学教育のアプローチを整理・検討し,日本の数学教育におけるジェンダー研究への示唆を得ることである.その結果,①日本ではセックス/ジェンダー概念の意味や立場を明示した研究はみられないが,一方で,Glasser and Smith (2008)およびDamarin and Erchick (2010)に類似したアプローチがあること,②「ポストモダンモデル」を意図したアプローチは見られないが,新たに戦前・戦中の教科書を再評価するアプローチがみられたことの2点から,今後の発展の可能性があることを示した.