主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第45回年会 鹿児島大会
開催日: 2021/08/20 - 2021/08/22
大川小学校判決の分析を通して,この判決が学校教育に関わる教職員・学校管理職・教育委員会に及ぼす影響,特に科学教育の在り方に与える影響を検討した.大川小判決がこれまでの判例と異なり,公害・薬害訴訟で適用されてきた高度な専門性を基盤とする情報収集義務を,教育学を専門とする教職関係者に適用していること,安全配慮義務ではなく,安全確保義務を求めている点などが特徴となることを指摘した.これによりハザードマップを独自の立場から批判的に見直していくことが要求されたり,防災に関して,一般よりも,はるかに高いレベルの知識と経験が教育関係者に求められたりすることを指摘した.科学教育の立場から,その打開策として2つを提案した.1つは理科教育の内容として防災・減災教育の一例としてEco-DRRを教育内容に加えることの有用性を指摘した.もう1つは「(仮称)学校防災要録」の作成の意義を指摘した.