主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第45回年会 鹿児島大会
開催日: 2021/08/20 - 2021/08/22
東日本大震災後の10 年間で福島県の教育機関では放射線教育・原子力災害理解のための各種事業(震災教育・復興教育など)など多様な取り組みが行われた.しかし震災を知らない若者層の登場やいわゆる記憶の「風化」が顕著となり,これらの活動の継続と見直しが喫緊の課題となっている.福島県の研究機関等では震災に関する調査研究をもとに震災の教訓を後世に伝える多様な資料の収集・保存活動,伝承施設等を設置して,広く県民に震災に関する普及活動を実施してきた.まず福島県環境創造センター交流棟の「サイエンスコミュニケーター養成講座」を事例として事業内容に関する主催者と受講生(県民)との間で用語や講座内容等の認識の違い,参加者層のニーズと主催者のシーズとのずれが存在すること,主催者と運営事務局,講座の講師らとの実施方法をめぐる講座実施の議論自体がサイエンスコミュニケーションといえる点などその現状と課題について考える.