日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
46
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数学的問題設定における証明の活用に着目した中学校数学科授業の設計と実践~「図形の合同」における授業の概要~
*加藤 幸太辻山 洋介柴田 義之
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抄録

本稿は,「数学的問題設定における証明の活用に着目した授業設計の枠組み」をもとに授業の設計と実践を行い,その意義と課題を検討することを目的とする.具体的には「図形の合同」において,全国学力・学習状況調査の問題を出発点の命題として,正方形の仮定において結論が成り立つことを証明し(活動1),正方形という属性を他の図形に変えた問題を自由に設定し(活動2),その問題を解決し(活動3),その過程で生じた「正方形では成り立つことが長方形では成り立たない」等の不具合の原因を分析し,仮定のどの部分によって結論の成否が決まるのかを把握する(活動4)ことを位置付けた授業を設計し,実践した.その結果,生徒は自力解決場面か全体共有場面かの違いはあるものの,結論が成り立つための本質的な条件を把握することができた.今後の課題は,生徒の思考をより詳細に分析し,証明や仮定の記述内容を生徒の実態に応じて精査することである.

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