日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
46
セッションID: 1
会議情報

論文集
コロナ禍における「科学の本質」とメディアリテラシー
*岡本 紗知
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

科学の本質(NOS)とは,科学知識に特有の性質のことであり,科学知識が生み出されるプロセスや,科学的な営みに関わる人の知覚の限界,さらには科学知識の社会的側面などの理解を指す.科学的知識そのものの本質的な部分と考えられており,多くの国の教育課程で導入されている.しかし,日本ではまだ理科のカリキュラムに導入されていない.本研究では,新型コロナウイルスをテーマとし,NOSを身近な形で説明する可能性を検討した.分析の枠組みとして,LedermanのNOSアスペクトを用いた.研究の結果,エアロゾル感染や数理モデルなどの新型コロナウイルスに関連する様々なテーマは,科学知識の実証的性質や暫定的性質,観察と推論の違い,創造性と想像力の関与など,NOSの様々なアスペクトを示す優れた事例であることが示された.

著者関連情報
© 2022 日本科学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top