中等教育カリキュラムにおけるプロジェクト型学習のあり方の研究（２）

ー　ドイツSH州との協働探究のための「探究構造把握ツール」の開発　ー

抄録

本研究は，資質・能力育成を志向した教育改革が先行しているドイツ・シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州と協働探究を行い，両国の教育課題である教科学習とプロジェクト型学習のあり方（位置づけや関係性）を理論的・実証的に明らかにすることを最終目的とする．今回はドイツで現地調査した結果，日本と同様に探究の構造や形態は非常に多様であり，協働探究を行うため初期条件を確認するために，多様な探究構造を明らかにすることが必要となった．そこで，プロジェクト型学習の階層性や分類などの先行研究を参考して，日本側から「探究構造把握ツール」のひな形を作成・提案しドイツで試行した結果，好評を得た．そこで正式版として開発することを今回の目的とした．その結果，このツールにより日独において，現教育課程の主である教科学習とプロジェクト型学習のあり方のスペクトラムとしての一側面を明らかにできる可能性を示した．