主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第47回年会
回次: 47
開催地: 愛媛大学
開催日: 2023/09/18 - 2023/09/20
防災教育においてシミュレーション技術を活用することで,実際の災害を体験しなくても対応力を向上させられる可能性がある.本研究は,地下街を対象に避難シミュレーションを行い,避難誘導計画に従った避難状況を可視化した結果,目標時間に余裕をもって完了し,最短経路にある階段を用いるよりも,誘導に従って避難する方が,全体の避難時間を短縮することを示した.一方で,地下街内で滞留が発生すると,後方にいる人は恐怖や不安からパニックを引き起こす可能性も出てくる.それを抑制するためには,誘導に従って避難すれば,津波が地下街に到達する前に全員が余裕を持って避難できることを認識させることが必要になり,地下街からの逃げ遅れを出さないための防災教育において避難者全体や車いすの人等の弱者視点の避難シミュレーション結果を可視化することで,その教育効果を高める可能性を示した.