主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第47回年会
回次: 47
開催地: 愛媛大学
開催日: 2023/09/18 - 2023/09/20
本研究は、大学での学生のデータに基づいたミスコンセプション研究から生まれた問いのデザインが、地学分野(地球と宇宙)の教育にどのような効果をもたらすのかについて、大学の授業における試行をもとに分析したものである。小中学校の教科書の記述や模式図がどのようなミスコンセプションを生起させているのかについて分析し、特に、学生の理解度が低い天体の見え方(月、内惑星、星座など)について検討した。その結果、天体が空のどの位置に見えるかについて、シンプルな考え方を提示することにより、理解度が大幅に改善することが明らかになった。教科書にはカラフルな写真や図が多く取り入れられ、わかりやすくしようとしている配慮は感じられるが、それがかえって考え方を複雑にしてしまい正しい理解ができないまま義務教育を終えていることが明らかになった。こうした状況を踏まえて開発した理解度を高める考え方と問いの効果について報告する。