日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
セッションID: 1
会議情報

論文集
語の充足の観点からみた算数・数学科授業での新聞教材の活用の可能性についての考察
*紙本 裕一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

新聞記事には数量の推移を表したグラフなどが用いられているので,新聞記事を算数・数学科での教材に活用することは十分想定されうることである.しかし,それが中々実現できないということは,新聞記事の本文理解に何かしらの困難があることが想定される.本稿では,教科書に登場する動詞と名詞に着目し,それらを使って新聞記事の動詞と名詞がどの程度充足可能なのかについて推定値を明らかにする.分析の結果,動詞+名詞の充足率は,小学6年だと最大でも37%程度,少なくても15%程度であった.動詞のみでの充足率は小学6年だと最大で71%程度,少なくても37%程度であった.名詞のみでの充足率は小学6年だと最大で56%,少なくても28%程度であった.低学年や中学年で新聞を取り扱うことは困難であると推定される.しかし,新聞を教材として取り扱うのであれば小学校高学年以降であればその可能性があるかもしれない.

著者関連情報
© 2023 日本科学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top