中学１年生の理数分野にたいする意識・態度にはどのような男女差があるか？

―　複数校のアンケート結果の分析から見る学校ごとの男女の意識差の特徴とその理解　―

抄録

沖縄県内の５つの中学校と科学教育プログラムに参加した中学１年生を対象に，理数・科学に関する情意面の考えや意識を尋ねる質問紙調査を実施した結果について，各設問レベルで男女の意識差について分析を行った．その結果，５つの中学校において，女子生徒が男子生徒よりも統計上有意に肯定的な意識を示す項目はなかった．また，理系分野に意欲・適性を示す科学教育プログラム参加者においては，男女の意識差がほとんどない傾向にあったものの，女子生徒の理系分野に対する認識はジェンダー・バイアスの影響を受けている可能性が示唆された．今後，職業観の調査や生活全般でのジェンダー・バイアスの強さを測る質問紙調査を行い，女子生徒の理数分野に関する認識をより深く理解することが必要になるだろう．