主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
環境問題が深刻になっている現在,環境教育の充実は重要となる.環境教育では,生徒の環境問題に対する当事者意識の涵養が求められ,主たる教材である教科書は生徒の当事者意識に深く関連している可能性がある.そこで本研究では,環境問題に対する生徒の当事者意識の涵養に対する教科書の貢献について検討する.ROSES調査「D.私と環境問題」と中学校第3学年理科教科書の大単元「自然と人間」を分析した結果,生徒は環境問題に対し良好な当事者意識を有していることが明らかとなった.また,教科書内で人間活動と環境との関わり・科学技術による環境問題の解決等について幅広く取り扱われていること,本文で「わたしたち」という一人称代名詞が多用され,目指すべき市民像が明示されていることなどが生徒の当事者意識の涵養に貢献している可能性が示唆された.今後は,環境問題が扱われている他教科・科目の教科書内容についても検討する必要がある.