主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
本研究の目的は,「データの活用」領域の新設に伴い,学習指導の充実が求められる算数科の統計教育において,批判的思考の育成を意図した教材を開発することである.そのために,今年度から小学校現場で用いられている算数科教科書全6社の「データの考察」単元を比較分析し,教材開発の視点として,①時系列やはずれ値を教材内で扱うことによって結論を導いた後,もう一度問題やデータに立ち戻り,批判的に考察する機会を与え得るということ,②根拠をあげて話し合うだけではなく,自身の考えを振り返らせる発問を教材内に設定する必要性という2点を得ることができた.そして,得られた視点をもとに,場面やデータの数値を工夫した教材を開発した.本稿では教材の開発を試みたに過ぎず,今後の実証的な研究が求められる.