日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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「関心」「行為」「共同体」に着目したインフォーマルな科学体験の場の成立に関する理論モデルの検討
*下平 剛司
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抄録

インフォーマルな場における科学体験の機会は科学教育において重要な役割を担っているが,そのような場に参加する人が限定されているという課題を抱えている.そこで本研究では,インフォーマルな科学体験の場として成立しているシチズンサイエンス的なコミュニティを仮定して関連する概念を整理することで,その成立に関する仮説モデルを生成することを目的とした.具体的には,学際的な探究の共同体における「関心」概念やアイデンティティ概念を手がかりに,インフォーマルな科学体験の場における個人と共同体の関係性を検討した.その結果,「関心」と「共同体」が直接的に結びつくものではなく,それらを媒介する「行為」概念の存在が示唆された.また,この検討をもとに「関心」「行為」「共同体」の関係性を整理した仮説モデルを生成した.仮説モデルには複数の循環が存在し,その循環における共同的知的生産の重要性が示唆された.

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