日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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授業実践研究における当事者性に関する研究
*越智 拓也
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抄録

本研究では,授業実践研究における当事者性について論考することを目的とした。教育実践研究における実践者自身の教員としての経験と研究者としての経験を現象学的に解釈しようとする際,そこから1人称視点を取り去ることは難しい。その際に課題となる研究者としての自分自身と,実践者としての自分自身との乖離について検討するために「自己再帰性」に着目した。実践研究に関わる諸理論として,アクションリサーチ,オートエスノグラフィー,マイクロ・エスノグラフィーについて概観した。その結果,実践者自身の当事者性について詳細に記述することは,実践者自身に深い自己省察を促し,反省的実践に基づいて教師としての専門的成長を促すこと,厚い記述にすることで研究の反証可能性や翻訳可能性を高めることにつながることを指摘した。

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