主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本研究は,中学校理科の単元「運動の規則性」において,ワイヤレスセンサ力学台車の活用が学習者に与える効果,特に,リアルタイムグラフによる実験データの可視化が概念理解および情意面(学習意欲・自己効力感)に与える影響を検討するものである.中学生グループを対象とした面接調査により,生徒が自らの予測とリアルタイムグラフとの間に生じる「ズレ」をきっかけに,対話を通じて探究的な学びへと至るプロセスを質的に分析した.その結果,予測との「ズレ」は,グラフを単なる受動的な課題から能動的な「思考のツール」へと転換させる強力な触媒として機能することが明らかになった.生徒は「ズレ」の原因を主体的に探究し,実験方法を修正するなどの協働的な問題解決を行っていた.この経験は,科学的思考力の育成という認知的側面だけでなく,学習意欲や自己効力感,結果期待といった情意面の向上にも寄与することが示唆された.