主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本研究は,日本の授業研究が世界的に注目される一方で,研究協議会が印象論に流れがちという課題に対し,学習者観察シートの有用性と課題を明らかにすることを目的とした.本研究では,TRU Math Summary Rubricを参考に開発した学習者観察シートを用いて,中学校の数学の授業を観察し,その後の協議会の発話記録を分析した.分析の結果,参観者間でスコアやその理由に差異が見られたが,これは学習者観察シートが,観察者の視点や解釈の違いを顕在化させ,協議の焦点化に貢献することを示唆された.一方で,第5観点(振り返り)については,その解釈に幅があり,観察の焦点が曖昧になるという課題も明らかになった.今後の課題として,学習者観察シートの理論的な精緻化と,実践的な利用を通じた教師の職能開発への示唆を得ることが挙げられる.