主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本研究の目的は,角の概念の理解に関する記述枠組みを構築し,従来から指摘されてきた学習者の思考様態や理解の困難性の要因をより精緻に分析するとともに,それに基づく教育的支援の在り方を提示することである.そのために,APOS理論に基づく記述枠組みが本研究へ適用可能かどうかを検討し,Mullins(2020)によって提示された角の概念の理解に関する記述モデルに着目し,その理論的精緻化の方向性を考察した。その結果,角の概念の理解においては,APOS理論の各段階や複数の捉え方が同時に存在し,状況に応じて往還しながら構築・統合されていくことが明らかとなった.また,小学生を対象とする場合には,具体的操作を通じて角の概念がいかに構成されるかを記述する視点が枠組みに不可欠であることが示唆された.さらに,教育的支援の観点から,測定という操作を媒介とすることで,学習者の認識が静的な捉えから動的な捉えへと拡張・再構成される契機となりうることを指摘した.