日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
理科教材に含まれる概念集団の構造分析
金田 知之下條 隆嗣
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1986 年 1 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

2社の中学1年用理科教科書の「カ」に関する部分に含まれている概念を抽出し、出現順に番号を付し、定義の仕方によって分類し、更に概念間の関連を明らかにして作製した概念図を有向グラフとみなし、それらに主としてグラフ理論を適用して構造等を分析した。2社の概念集団とも約100個の概念を含んでいた。本報告では特に概念集団の樹状構造部分と環状構造部分の分離、周辺点に対応する概念の教育的意味、階層化表現、および2社の教科書の概念集団について、それらの構造、強化・中立・弱化各概念数、抽象度、半径、連結性、定義の種類別概念数を比較した。 概念集団の構造については、1社の教科書では主に樹状で部分的に環状であったが、他社の教科書では環状のみであった。 概念集団の階層化表現が求められたが、それらはなお複雑であり、今後同一レベル内の概念の並べ替えによって経路の交差の少ない図に変形される可能性が論じられている。

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© 1986 一般社団法人 日本科学教育学会
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