電気に関する小学生の理解における問題点

抄録

これまでの電流に関する研究では,小学生が電流に関する何らかの心的モデルをもとに思考していることが前提となっていた。そこで, 本研究では「導線の中を何かが通っている」というモデルの枠組みを小学生に与えなかった場合,単純電気回路における電気現象をどう説明するかについて調査した。その結果,今回対象となった小学生の中には,電流に関する心的モデルを使用して考えるというよりも,生起している現象のみをとらえた説明を行う者がいることがわかった。