抄録
本研究では, 理科教育における実験衣を着用することの効果を調査する. これまでに実験衣に関して科学や科学者のイメージは調査されているが, 実際に実験衣を着用することで意識がどう変化するかについては十分に調査がなされていない. そこで, 事前調査をした上で, 実際に実験衣を着用させた後の意識調査を試みた. 本稿では, これら事前調査と事後調査(授業後の意識変化)の結果と, 同時に実施した教師の意識調査の結果をあわせて報告する. 調査の結果, 実験衣の着用に関して, 安全性や服の汚れに対する意識が高いこと, 女子の方が男子よりも実験衣着用に対する意識が高い傾向があること, 実際に着用した場合, 中学校2年生の方が小学校6年生よりも実験衣着用による効果に対する意識が高まったこと, 教師は実験衣の着用に積極的であることが明らかになった.