ソーラーオーブン模型を用いた体験講座を科学教育とエネルギー教育の観点から議論した.提案された体験講座は,小学生から社会人までを対象として実践でき,対象に応じて目標を設定できる.例えば,中学生が対象の場合は,熱の伝わり方や温室効果,放射平衡などの原理を指導できることを示した.また,ソーラーオーブン模型を用いた室内実験で,そのエネルギー変換効率を求めることができることを示した.ソーラーオーブンを利用したエネルギー教育では,太陽エネルギーの特徴である変動性やエネルギー密度の低さを指導し,太陽熱利用であるソーラーオーブン模型と太陽電池を用いて比較実験することを提案した.この比較実験から自然エネルギーの利用上の問題点やエネルギー政策などに発展できることを示した.