2010 年 25 巻 3 号 p. 65-70
長年,博学連携や融合がいわれているが,なかなか学校の博物館利用が進まない。新しい学習指導要領において「課題解決型学習」が強調され,博物館利用が記載されていることに注目し,その利用促進の元となる教員のミュージアムリテラシーに関する調査研究を行ったので,その理論的構造とリテラシー養成等の提言を紹介する1)。この研究では学校教育で重要な「学習指導要領」と「博物館における各プログラム」の関係を再検討し,学校利用促進のための条件やさらに学校利用のみならず広く一般の利用者の立場に立った今日的な「博物館利用」の在り方,すなわち「ミュージアムリテラシー」に根ざした科学系博物館における教育普及活動を調査研究した。本発表では,教員の持つべき資質能力としての「ミュージアムリテラシー」を提案する。