1989 年 3 巻 6 号 p. 27-28
理科教育において、学習意欲を高めるということは、生徒たちをエネルギー的に高めるのである。このエネルギーは運動のエネルギーというよりもむしろ位置エネルギーの一種であると考えるべきであり、この位置エネルギーは、単なる知識の詰め込みによって与えられるものでなく、実験を見たり、行ったりという経験によって高められるものといえよう。しからば、どのようにして生徒にこのエネルギーを与えるかを論じるのでなく、どのような教師が理科嫌いの生徒を作るかを私達の陥りがちな欠点を例に挙げて考えてみるものである。